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写真左/着込んだパンツ。風合いが増し、ふっくらとした肌触りになる。
写真右/藍液の攪拌作業。「おやかた」の愛称で親しまれ、50年の経験をもつ手染め氏の福田さん。においで藍液の状態を判断できるという。 |
埼玉県羽生市。関東平野の真ん中に位置し、かつては一面田園地帯。江戸時代中ごろ、そばには利根川が流れ、水の恵みを利用した染め物の技術が発達し、この地域では、糸を藍液で染めてから反物を織る“先染め織物”が主流でした。染めた糸を農家の作業着(もんぺ)用として織り、欠かせない生活着の一つとなりました。
もともと、農作業用のもんぺを作っていた野川染織工業。しかし戦後の高度成長、農業の機械化により、もんぺの需要がなくなってしまいました。商品の転換を迫られた時、剣道着に着目。そして自社ブランド“武州一”を打ち出し、自前の販路を開拓し始めることに。その品質が認められ、今では全国の専門店に卸しています。
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写真/4代目代表の野川雅敏さん |
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「(藍染めは)藍が生き続けているんですよ」。 目を輝かせながらそう何度も口にするのは、野川染織工業株式会社代表の野川雅敏さん。「藍染めの良さ」と「藍が生きていること」は、密接に絡んでいるといいます。
当時、江戸時代の文化として受け継がれていた藍染め。野川さんは、かつて生活の中に根付いていた藍染めを今の時代にも受け継いでいきたいと願っているそう。藍染めの良さを広げるため、たももシリーズのアイテム数を増やすなど惜しみない努力を続けているのはそのためです。
野川染織工業では、100年間天然発酵てにこだわり続けた藍染めを行っています。天然発酵建てとは、原料の藍草を自然の力で発酵させて藍液を作り、薄い色から濃い色までの藍液に、30回繰り返し染める技法のこと。これにより着込んでいく過程で色が変わり、風合いを楽しめるのです。
この藍液を維持するのは、容易なことではありません。徳島県から取り寄せる原料の藍玉に、小麦粉とふすま(小麦を粉にする時にできる皮のくず)と水を加え、温度調節しながら攪拌させ、藍がもつバクテリア(微生物)の発酵を促します。藍液に疲れが見えたら、石灰を加えることも。こうすることで、バクテリアが再び生き、先のような状態になるのだとか。
常にこのバクテリアが元気でなければ、染めの力を発揮しません。少しでも機嫌が悪いと、染めの調子が狂ってしまうといいます。藍液を年中元気な状態にするのは、大変な作業であり、豊富な経験と熟練した技が必要なのです。
こうした熟練の技によって生まれた藍染の生地には
・虫が寄りつかない
・殺菌、抗菌作用がある…戦国時代には、武士がけがした際に消毒の機能を果たしていたといわれる
・生地を約5倍丈夫にする
・乾きやすい …汗を吸収して発散させるため、夏場は汗 でベタつかず、サラッとした肌触りを保つ
などの優れた特徴があり、こうした理由から、古くから多くの人に受け入れられてきました。夏は涼しく、冬暖かいため、一年中快適にすごせるのも人気の理由のひとつです。
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